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バイクと、カメラと、僕らの日常記

Canon EOS R8レビュー ver2.0

 先日の記事が纏まりがないと思い、再度書き直してみようと思う。内容は重複しているので、先日の記事を読んでいただいた方はスルーしていただければと思います。( ↓ こちらが先日の記事)

cbf-aset.hatenablog.com

私が感じたポイントをいくつかにまとめてみました。

必要十分以上のオートフォーカス性能

 EOS R8最大のセールスポイントはこれでしょう。上位機種のEOS R6 Mark II譲りのオートフォーカス性能です。ポートレート撮影や動体撮影のほとんどのシーンで不満は起きないと思います。(各社のフラグシップ機などとの比較ではなく、一般ユーザが日常的に撮影する場合という意味です。)
 特に被写体認識とその追従機能については目を見張るものがあり、7年選手のPentax K-1のそれは比較にもなりません。まぁ、そもそもペンタックスオートフォーカス性能が他社に比べて著しく低いことで有名なので比較するのも烏滸がましい感はありますね。
 一部気になる動作といえば、手前に植物などを入れて奥に被写体(人物)を写したい場合、多くの場合は手前にピントが合焦して離さないです。ある意味、追従性が高いのですが、被写体認識オートを使う際は頭の片隅に入れて撮影に臨む必要がありそうです。

小型軽量のフルサイズミラーレスとしての魅力

 EOS R8はキヤノンの中で2023年5月現在で最軽量のフルサイズセンサーを搭載したミラーレス一眼です(約461g)。このサイズと重さでフルサイズセンサーを搭載したミラーレスは少なく、競合し得るのはCanon/RP(約485g)やSony/α7c(約509g)、Sigma/fp(約422g)でしょうか。これらと比較する場合、コストとパフォーマンスのどちらを優先するか?という点が重要になりそうです。EOS R8の性能は概ね上位機種のEOS R6 Mark IIを踏襲しており、一部オミットされた機能以外は他メーカを含めた最新のミドルクラスに肉薄していると言って良いのではないでしょうか。対して他の機種は発売開始時期を見て分かる通り、スペック面では一世代前となります。このあたりは、自分が何を撮影して、そのために譲れない性能はなんなのか?をはっきりさせられれば、どれを選ぶべきかは自ずと答えが出るでしょう。
 EOS R8は性能を優先する代わりに、外装のコストを削っているように感じます。そういう意味では、カメラを所有する楽しみ・満足感は少ないように感じます。また、ストレートに表現するのであれば、手に取った瞬間に多少のチープさを感じます。なので、カメラを写真を撮影する機材として割り切れる方にはオススメできると思いますが、そうでない方は悩んだ方が良いと思います。

THE CANON COLOR

同じ場所で同じ景色を撮っても、写真の色はメーカー毎に異なります。一般にキヤノンは暖色より、ニコンペンタックスは寒色よりとされているようです。(これを根拠に、キヤノン機は肌色再現に優れる(暖色傾向のため肌の色が綺麗に見えることからポートレートに向いている)と言われています。)
確かにポートレート撮影では、肌の色が暖かく写るため好ましいと感じます。ただ、私の主な被写体はバイクや風景であり、今まで慣れ親しんだペンタックスからすると違和感があることが多いです。このあたりは好みだと思うので、EOS R8を購入検討している方は作例を見たほうが良いと思います。
 作例は冒頭にある前回の記事を参照してみてください。はじめのK-1とR8を写した写真以外はすべてEOS R8で撮影したものです。

動画撮影も視野に入れたユーザインタフェース

 EOS R8のデザインを見てみると、スチルと動画の切り替えスイッチが左肩に鎮座しています。また、右肩には赤い録画開始ボタンが配され、動画撮影を強く意識したデザインであることが窺えます。私自身はカメラで動画は撮らない(撮るとしたらPanasonic GX-7を利用する)ので、本当はスチル特化のユーザインタフェースにしていただけると嬉しいですが、この辺りは時代なんでしょうね。

また、シャッターボタンの位置は好みが分かれそうです。

 K-1とR8の比較画像です。ボディ面に対するシャッターボタンの角度を表してみました。調べてみると歴代のEOSはシャッターボタンの角度が深いことがわかりました。EOS R8も例にもれず踏襲しているようです。対してNikon/Pentaxの機種はといえば、比較的に浅いようです。これは慣れや好みの問題なので、どちらが優れているかという話ではありませんので、気になる方は実機を手に取ってご確認ください。
 ちなみに、私は慣れのせいかもしれませんがK-1の方が好きです。グリップを握って人差し指を落とした位置に、自然にボタンがある・・・というのがK-1だからです。EOS R8はボディを眺めながら、ちょうど胸の前あたりでグリップ感を確認するのと、実際にファインダーを覗いて確認するのではかなり印象が変わります。商品を手に取った瞬間に違和感があっても棚へ戻さず、いったん構えてみることをお勧めします。ファインダーを覗いて構えてしまえば、違和感はかなり軽減されます。

 メニュー画面は困惑・混乱するような構成ではないものの、最新機種だけあって機能が多いのか、探しているメニューを見つけるのが大変です。そのためにマイメニューという機能が用意されているようですが、今は何を登録するか思案中です。(ちなみに、「通信機能」のメニューアイコンは初見で何を指しているのかわかりませんでした…)
 余談ですが、過去のキヤノン製エントリー機は電源スイッチが左肩にあったようですが、EOS R8は右肩に変更されています。この点は歓迎されるべき点だと感じます。実際、左肩のままであれば、私はEOS R8の購入は見送ったと思います。右手だけで操作が完結するか否かは、撮影テンポに影響するので重要なポイントだと感じています。

購入を検討している方に伝えたいこと

 EOS R8は25万円弱という、キヤノンの中でローエンドを担う機種にしてはかなり強気の設定になっています。すでにRFレンズ群を所有しているユーザーのボディ乗り換え検討なら良いのかもしれません。しかし、新規でシステム構築しようとすると純正RFレンズ群は安いか高いかがはっきりしており、レンズ追加時に頭を痛めるかもしれません。
 違う言い方をするのであれば、この優れたAF性能の小型軽量フルサイズミラーレスボディに幾らまで出せるか?という考え方をすれば良いと思います。覚えておかなくてはいけないのは、ボディ内手ぶれ補正が非搭載でバッテリー容量が比較的に少ない点でしょうか。個人的には20万円前後が適切な価格だと感じるので、値下がりを待ったり中古品をさがすのも良いと思います。

後書き

 ここまでの書きっぷりで、なんとなくお察しいただけると思いますが、私はコストパフォーマンスという点でEOS R8に納得していません。ただ、高性能なAFと小型軽量という長所はこのネガティブなイメージをある程度埋めてくれるものです。
 もしかしたら、Pentax K-1からのミラーレスシフトの答えをEOS R8に求めていたのかもしれません。私の中でK-1は、腰を据えて撮影するカメラというポジションでした。しかし、R8はこれに代わるカメラではなく、どちらかと言えばRICOH GR IIIに近い感覚です。このギャップから満足感を得られていないと思いますが、カメラの出来自体は素晴らしいです。なので、手に馴染むに連れて評価も変わるだろうと思います。実際に、GRのような感覚でサクサクと撮影を進めていく感覚は、K-1とは違う楽しさを感じます!

 ちなみに、RFレンズの初めの一本は35mmF1.8マクロを選択しました。安価な28-40mm程度の軽量な単焦点を、と考えたら一番汎用性が高そうだったのでこれにしました。結論としては、間違いなかったです!R8に装着すると、ボディが軽すぎてすでにフロントヘビー感がありますが、それでもシステムとしては軽量。お出かけする際に肩からぶらさげても苦にならない重さですし、35mmという焦点距離はお散歩にちょうど良いです。今度発売になる28mmのパンケーキレンズは、重量の面からR8にベストマッチするのでは…!と感じていて、さっそくシステム拡張をするのか悩んでます。資金的な面で。笑

 これからは風景撮影をK-1で、ポートレートや動体・気軽なスナップ撮影をR8で…というように棲み分けして運用しようと思います。

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